1.今日はテンゲルのことを思った
娘の高熱は今日もまだ続いている。もう三日目です。夕飯の前、わたしは畳に座って、リモコンのボタンを押し、NHKの「ニュース7」にチャンネルを変えた。5歳になる娘は頭をパパの膝に乗せながらぐったりと横になっていた。熱のせいで真っ赤になった娘の顔を見ると、わたしはもう一回彼女の額に手を当ててみた。熱いです!
テレビニュースでは、5月いっぱいまで緊急事態が延長されるという話が何回も繰り返されている。娘が弱々しい目線を上げ、パパの顔を伺った。返事として、わたしは微笑みながら娘の額に軽くキスした。もちろん、心の中では笑える気分なんかなれなかったが。緊急事態が続いているとき、父親として直面する娘の発熱、最悪です。しかし、娘には最高の笑顔を見せなければならない。いい父親というのは演じるものでしょうか。
テレビニュースが、今日の死亡者数を報じるとき、娘はまた目線ををパパの顔に上げながら、「ザヤちゃんはコロナウィルスじゃないよ。だってコロナウィルスは死んじゃうんだよ。ザヤちゃんは死なないから。」
わたしはもう一度微笑みながら娘の額にキスして、「そうだね。いつもの通り風邪でしょう。」と答えた。
娘が死に関する話を口にしたせいか、わたしはテレビ画面を眺めながら、内モンゴル著名歌手テンゲルのことを思い出した。彼の娘は6歳のときに病死した。インタビューに対して、「まあ、しようがないでしょう?残された人は生き続けなければならないからなぁ。」というテンゲルのセリフを考えてみる、彼はきっと自殺を考えたことがあったでしょう。相当つらかったに違いない。
高熱が四日未満だと、病院には行かないでくださいという日本政府の要請には、みんな従っている。わたしも娘を病院に連れて行っていない。まずは、自分を守るため——病院はウィルス感染の危険場所だから。そして、他人を守ること——万が一、娘がコロナウィルス感染者だったら、医療従事者や他の患者さんに移さないため。日本人は極端にルールにうるさい民族です。わたしも日本式のルールに従っている。郷に入れば郷に従えということかな。
テレビ画面に天気予報が流れている。ニュース7も終わろうとしている。わたしは娘の熱い額を撫でながら、「何も食べたくないのは分かっているけど、晩御飯をちゃんと食べて、そして薬を飲んだら、例のローラースケートを買ってやるよ。」
娘の目に興奮の光が走った。「本当?あのピンクのローラースケート?やった!」
「本当だよ。」と、わたしは微笑みながら頷いた。頭に浮かんだテンゲルのことをしっかりと隠しながら。悩みは自分で独占したい、喜びは家族と共有したい。ストレスがたまりやすい性格だ。
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