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今日は人生初めて自分の誕生日で泣いた

①  キスは үнсэлт  オキシトシンは Окситоцин    日本で緊急事態宣言が解除され、子供たちが幼稚園へ行けるようになった。わたしは今朝も子供二人を保育所へ送りに行った。朝起きて自分の部屋を出たら、 5 歳になる娘が食卓からわたしへ向かって走ってきて、「抱...

2020年6月5日金曜日

今日は人生初めて自分の誕生日で泣いた

 キスはүнсэлт オキシトシンはОкситоцин

 

 日本で緊急事態宣言が解除され、子供たちが幼稚園へ行けるようになった。わたしは今朝も子供二人を保育所へ送りに行った。朝起きて自分の部屋を出たら、5歳になる娘が食卓からわたしへ向かって走ってきて、「抱っこ!」と甘えた。わたしは娘を抱きあげ、顔に何回も何回もキスした。娘は甘えん坊だから、朝一番にキスしてあげないと大変なことになっちゃう。満足した娘を下ろして、今度は後ろからよちよち歩いてきた息子を抱きしめてキスする。まだ14か月なので、歩き方が可愛くてたまらない。わたしに何回も何回もキスされて息子も満足したようで、よちよちと食卓に戻ってパンを食べた。

 生物学者の話によると、人間がキスするとオキシトシンという「愛のホルモン」が体内にたくさん分泌されるそうだ。オキシトシンが分泌されると人間の脳には幸せが感じられる。キスだけではなく、ハグとか愛撫とか見つめ合うとかセックスとかするときも、オキシトシンがたくさん分泌されるみたい。なので、オキシトシンは「幸せホルモン」「恋愛ホルモン」「抱擁ホルモン」「信頼ホルモン」「絆ホルモン」「思いやりホルモン」「癒しホルモン」など、数々の異名を持っている。

 朝食が終わり家を出て、わたしは息子を自転車の後部座席に座らせた。もちろん息子の顔に何回もキスしながら。「オキシトシンがたくさん分泌されるように」と心の中で願いながら息子に向かって微笑んだ。すると、息子もわたしに向かって微笑んだ。赤ちゃんの微笑みは春の富士山よりも美しいものなんだ。でも、美しい富士山のような息子の微笑みに、わたしは泣かなかった。わたしが泣いたのは、今日がわたしの56歳の誕生日であるからだ。

 56歳、ソヨルジャブ先生が刑務所から出た年齢でもある。56歳のとき、ソヨルジャブ先生が刑務所から釈放されて、自分の新しい人生を歩み始めた。それは1981年のことだった。社会主義時代の人権への抑圧に関して、民主主義日本で生まれ育った人々には理解しにくいだろう。あの抑圧は中国では1949年から1981年まで続いた。

 しかし、今は2020年6月5日。わたしの誕生日だ。自転車に乗り、「今日わたしは56歳になった」と思うと、目から涙が流れてきた。1981年のソヨルジャブ先生のことを思い出したからだ。そういえば、ソヨルジャブ先生もわたしと同じでキスが大好きだった。休憩のとき、ソヨルジャブ先生はいつもイレードイ大学の教え子たちの顔にキスしていた。「変なオジサン。何で他人の子供にキスするんだろう」と、そのときわたしは不思議に思っていた。

 保育所の玄関から中に入り、先生に子供を預けて、別れのキスをする。そのとき、またもソヨルジャブ先生のことを思った。「ああ、わかった。他人の子供にキスしたのは、自分の子供だと思っていたからだ」と理解した。わたしは自分の子供たちにキスする。ソヨルジャブ先生はイレードイ大学の教え子たちにキスする。ここがソヨルジャブ先生とわたしが違うところなんだ。

 ソヨルジャブ先生は自分の教え子たちを自分の子供と同じように愛していたんだ。ソヨルジャブ先生って面白い方ですね。

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